ドーナッツを投げる

f:id:pegions:20200412141123j:plain

 

今年の4月の始まりは雨であった。


「どんなに嵐が吹こうとも,雲の向こうはいつだって晴れ」との言葉を引用して

「いつかは晴れると信じて頑張ろうよ」と人は励ます。

 

そう信じて耐えるしかないことはよく理解している。

 

でも


違うんだ,「今」晴れて欲しいんだ。

いつかじゃなくて晴れて欲しいのは「今」なんだ。

と、こちら側の人間はいつも思っている。


どんな状況でも「うん、元気!」としか答え方を知らない人に

「元気?」と尋ねるのは酷ではないか?


潰れかけそうな毎日を必死に耐えている人に

「頑張ってね」

と言うのは、もう十分に頑張っているから何か違うし、

頑張らなきゃ生き残れない、先に進めないフィールドにいるのに、

「頑張らなくていいんだよ」

と言うのは「もう諦めたら?」と勧めているようにも聞こえてしまう。

 

 

違う、私が伝えたいのはそうじゃなくて

 

 

と、いつまでもぐるぐる言葉を探して送信ボタンを押せず終わる。



今まで沢山励まして貰ってきたのに、

間違うのが怖くて、私はどう人に言葉をかけて良いか分からない。

 

 


迷いに迷って,私はとりあえず「おやつ食べよう」と言う事にした。

 

 

当たり前に繰り返してきた誰かの、私の、毎日が、

突然終わるかもしれないと感じる今に、何も言わずに終わるのはあまりにも切ない。

 

以前から困ったらとりあえずおやつ!おやつ!と言っていたけれど,

今日からはもっと色んな願いのこもった「おやつ食べよう」だ。


こんなご時世なので,一緒におやつタイムはできないけれど,

今日も明日も心の中で全力でドーナッツを投げ続けるから,キャッチして下され!

 

届いていなかったら,投げるのが下手すぎて,

京都タワーにでも引っかかっちゃってるんだと思って!

 

練習する。


私の、あなたのところが、雨でも嵐でも、届けられるように

 

頑張るから。