季節を箱に詰める
季節を生活に取り込めている人は,とても素敵だなと思う
寒くなったらマフラーを出したりお鍋を食べてみたり
一応は季節に「対応して」暮らしているわけだけれども,
その季節季節だからこそできることを
自分から愉しみに手を伸ばしている感じがとても良いのだ
今は,花も野菜も年中手に入る時代だ
けれどもやっぱり”旬”というものがあって
その時期の美しさ,美味しさというものを感じられたらいいなと
今年はせめて,一歩遅れてからでもいいからと,和菓子とお花を定期的に買うことにした
カレンダーに,季節の食べ物や花の名前を書き込む
ここ何年も,七草がゆも節分も,お花見もお月見も
「もうすぐだなぁ」とカレンダーを見ながら気が付いていても
いつの間にか「その日」は終わっていて,結局何もしないままで終わってしまっていた
こういう”なくてもなんとかなる”ものは
忙しくなると真っ先に切り捨ててしまっていた
けれど,こういうものを切り捨て続けてきた結果,
自分にぽっかりと穴が開いた,と言おうかなんと言おうか
自分が中身のない空箱になったような気がした
これからは,この空箱に季節を詰め込んでいきたい
大事にしまって,時々覗いて
いずれは私の中で美しいアンティークになる
そんな日を楽しみに
花びらもちをほおばる